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くすくす姫の誕生日(くすくす姫後日談・その4)
第5章 くすくす姫の誕生日
「…これ、サクナのご褒美?それとも、私のご褒美?」
「さあ、どっちだ?どっちもか」
そう言って姫のシャンパン色のドレスの胸に柔らかく触れましたが、姫にやんわりと止められました。

「だめ。大事な服が汚れちゃう」
「またそれか。じゃあお互いもう脱ぐか」
「それもだめ。もうちょっとこのままで居て」
そう言ってちゅっと口づけした姫を、サクナは不機嫌そうに見ました。
「ここまで来てまたお預けかよ」
「だってこの服、しばらく着ないんでしょう?もう少し見てたいの。これを着ているサクナを見ると、どきどきするんだもの」

今日の昼餐と晩餐の時はこの衣装を着ていたのですが、レンブ妃を初めとして、目にしたご婦人の全てと、殿方でさえかなりの割合で、サクナに目を留めておりました。
それに加えて、サクナの衣装に姫の髪飾りの匂紫の花と同じ色味が混ざっていたためか、二人が寄り添うと周りの目には、いつにも増して仲睦まじい、似合いの一組に映りました。

「初めて見た訳じゃねぇだろ」
「何度見ても、どきどきするのっ」
姫はそこでふと、あることを思い出しました

「くだものおうじ…」
「は?」
「果物王子様も、こういう服だったの?」
それならレンブ妃のお姉様方が騒いでもしょうがない、とスグリ姫は思いました。

「なんでっ…なんで、それを、」
夢にも思わなかった単語を聞いたサクナは、しばらく驚きで口が利けませんでしたが、ようやっと口を開いて、姫に聞きました。

「レンブのお姉様方に聞いたのよ。十年くらい前に、よく南に遊びに行ってらっしゃったんですって。やっぱりサクナだったのね、果物王子様。」
サクナは開いた口が塞がらない様でしたが、姫の返事を聞くと、真っ赤になって、はーっと溜め息を吐きました。

「…それ、十年近く前だぞ…よく覚えてんな、女は怖え…」
「べた褒めなさってたわよ、果物の扱いがすごーく上手で、すごーく素敵だったって」
すごーく格好良かったというところは、なんとなく悔しくて言いませんでした。

「『街に出て売って来い、お客を見るのも修行だ』って、マイスターの命令だったんだよ」
「ふぅーん」
「大体、あんなに騒がれる筈じゃ無かったんだ。俺は純粋に果物の普及をしたくてだな…」
「分かってる」
果物馬鹿だものね、と姫はくすっと笑いました。
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