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流されカノジョ
第1章 入社式から1週間



入社式が終え、懇親パーティがお開きになり各々が二次会へ向かう中で、彩は石山に捕まり30人くらい集まりカラオケに行くことが決定した。

パーティルームを2つ使い、またしても様々な部署の人とカラオケを楽しむ途中、トイレに向かった彩は足元がふらついていた。

「ちょっと…飲みすぎた…?」

懇親パーティでは上司にお酌をしてそんなに飲んでいなかったが、カラオケとなると周りのペースが上がり、彩もいつもより飲むペースが速かった。

トイレの鏡に映る自分の顔が紅く、少し化粧の崩れた顔は童顔をさらに際立たせていた。

ドアを開けて部屋へと戻ろうとした角で彩は人とぶつかってしまった。

「あっごめんなさい………石山さん!」

石山の体で後ろへ飛ばされそうなところを支えられた彩はそのまま腰に手を回されていた。

「川合さん、もしかしてお酒弱い?」

身長差があるため、屈むように彩は顔を向ける石山の顔は心配そのもので。

「よ 弱くはないんです、いつもより飲んじゃった気がして…」と正直に答えた。

「じゃあ送ってくよ、まだ電車あるし…家はどの辺?」

空いてる手首についてる時計を確認し、腰に回してた手は離し、そのまま頭にポンと置いた。

「石山さんがいなかったら盛り上がりに欠けますよ!私は大丈夫ですから、戻ってください」

頭がぼうとして、ふにゃりと酔った笑顔で答える彩の頭上からため息が聞こえた。

「どうせこの人数だから、2人いなくなっても皆勝手に盛り上がってるから。
そんなことより、今は川合さんが優先、鞄持ってくるから先に外出て酔い醒ましな」

語尾に力があり、彩は素直にハイと返事をしてそのまま駅ビルに入ってたカラオケから出た。
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