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今日だけは、貴方と
第1章 2人の始まり

『……大丈夫みたい』

 耳元で小さく囁いて、軟骨部分を咥えた。舌先は耳の窪みに侵入し、水音を立てる。時折、骨の輪郭を舌でなぞり、耳朶を歯で挟んで舌先で弄んではまた軟骨まで舐め上げる。
 女の両手は男が着ていたパーカーのチャックを下ろし、服越しに乳首を愛撫する。
 男の両手は女の腰に伸び、片手が尻を揉みしだく。
やがて蕩けた声で男が言った。

「ねぇ…跨いで座って」

 その言葉に身体を離して男の顔を見下ろす。男の色白い肌が薄く紅をさす。
 女は笑みを一瞬浮かべ、男の太腿を跨いで腰を下ろした。服越しだと言うのに屹立した性器の硬さを感じて、舌なめずりを抑える事が出来なかった。


『次、反対』

 男に左を向かせ、空いた右側の首筋に舌を這わす。じゅるじゅると音を立て、再度の耳攻めが始まった。先程とは変わって、男の身体は不定期に揺れる。くぐもった押し殺す様な声が小さく聞こえてくる度に、女は自分の性器がジワリと濡れていく感覚を自覚していた。
 右側は弱いのだ、と震える声で漏れる男の本音が女の嗜虐心を煽る。
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