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再会 ∽∝∽初恋は実らず?∽∝∽
第5章 雨粒
「そんなに期待しないでくださいね。」
「あはは…」
会話しながら食べるなんて久しぶりだった。
両親と囲んだ食卓を思い出す。
『しゅう』が来て、花が食卓に飾られてから、誰とはなしに野草や霞草を摘んできては飾って、
お客様が入れば、食事を出して片付けてから、
居ない時は早めに家族で食卓を囲む。
宿や霞草の仕事の段取りなどの話もあったけど、幼いころの話や兄のこと、両親のノロケ話など、他愛もない話から、ケラケラ笑いながら食べてたっけ…
それが東京に来てから、仕事の合間に、遅くに帰宅してかろうじて…と、
篠宮さんが言うように疎かになり、どんどん食も細くなっていた。