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第5章 雨粒

何故か、篠宮さんとの空間は、田舎の両親を思い起こさせ、懐かしいゆったりとした時間を過ごせる。

こんな人と家庭を持ったら、楽しく安らいだ生活が送れそうだ。

｢どうしました？もしかして料理苦手ですか？｣

｢あっ、いいえ、篠宮さんの料理を前に得意とは言えませんが、苦手ではありません。｣

｢では何故、寂しそうな顔を？｣

｢田舎の両親のことを思い出して…
篠宮さんといると、温かい気持ちになるから…｣

｢それは寂しいことを思い出させてしまいましたね。｣

｢いえ、嬉しいし楽しいんですよ。
だけど、私、こっちにきてせかせか仕事して、今まで何してたんだろうなっ…て。｣