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第5章 雨粒

東京には綺麗な女性が沢山いる。
そんな中で田舎者の私はどんなに頑張っても引き立て役の霞草だ。

私には私の美しさがあると言ってくれた人は、結局、東京に戻ったきり、私達の街に訪れることはなかったのだから…

実らず枯れた初恋は、私の中に傷痕を残した。
元々無かった自信、更に引け目を感じていた。

それでも、彼を探し出すと故郷も親も捨てて東京に出てきた私に、なんの取り柄があるだろう。

彼を探すための職、本末転倒になるほどの忙しさに、体調まで崩して、私は何を身に付けたのだろう。