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痴漢野郎 スペシャル
第2章 痴漢の心得
俺の話を読んで、憤怒している人もいるかもしれない。

そんな人は

「お前なんか、現行犯逮捕されて、さっさと警察に捕まっちまえ」

と思っている事だろう。

しかし、俺は、絶対に現行犯逮捕はされないし、捕まりもしないのである。

なぜなら、俺は、プロの痴漢だからだ。

ニュース報道になってしまうような痴漢犯人なんて、
たいていは、ど素人か冤罪ばかりなのである。

俺ぐらいのベテランになったら、
被害者に摘発されない為の技術をいくらでも知っているのだ。

第三者にバレるようなヘマは絶対にしないのである。

まず、俺は、常に痴漢する相手と場所、時間を選んでいた。
どこでも、いつでも、誰に対してでも痴漢している訳でもないのだ。

俺は、経験によって、ある程度、
痴漢できそうな瞬間や状況、相手などが分かるようになっていた。

それらの条件が全て揃った時のみ、
俺は痴漢行為を楽しむようにしていたのだ。

自分の欲情にのみ突き動かされて、
デタラメに痴漢しまくっているシロウトとは、まるで違うのである。

俺は常に成功しそうな時しか痴漢を行なわないし、
無理なら、素直に諦める潔さも身につけていた。

そうじゃないと、痴漢業など長くは続けられっこないのである。
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