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痴漢野郎 スペシャル
第5章 就職祝い

季節は春だった。

夕方の電車の中も、新社会人や新入学生だらけで、
活気にあふれた空気にと包まれていた。

そこで、俺は、懐かしい顔を発見したのだった。

4、5年前から、たびたび、俺が痴漢していた女だ。

別に、俺も積極的に彼女を付け回していた訳でもないのだが、

彼女とは、偶然、同じ電車に乗り合わせる事が多く、
しかも、彼女は、気が弱く、ほとんど抵抗しなかったので、
痴漢のやり放題だったのである。

ちなみに、彼女と俺とは、いっさい面識がない。

彼女にとっては、俺は、
頻繁に出くわしてしまう、全くの通りすがりの痴漢さんだったのだ。

そして、今回も、
彼女は、運悪く、俺に見つけられてしまったのである。

俺は記憶力が抜群だ。

一度痴漢したターゲットの事は、二度と忘れないので、
こんな風に、数年ぶりに出くわしても、
決して見過ごしたりはしないのである。
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