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痴漢野郎 スペシャル
第5章 就職祝い
眺めていると、電車を出て行った彼女は、人ごみをかき分けて、
あたふたとホーム内を走っていた。

きっとトイレを探しているのだろうが、
その走り方は、どこかヨタヨタしていて、ぎこちなかった。

今にも、肛門から実が出ちゃいそうだったのかも知れない。

その時、電車のドアが閉まって、再び電車は走り出した。

俺は、このまま、電車に乗り続けたのだった。

完全に見えなくなる最後の最後まで、
俺は、彼女の様子を電車の窓から観察していたのだが、
最終的に、彼女はホームのど真ん中に座り込んでしまっていた。

顔も伏せ、泣きじゃくりながら、すっかり落胆しているようにも見えた。

これ以上はもう一歩も動けない、ギリギリの状態になってしまったのか、

あるいは、限界を超えて、あんな場所で、とうとう漏らしてしまったのか、

そこまでは、はっきりとは分からなかった。

俺は、走る電車の中で、一人、クスクスと笑い続けたのだった。


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