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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第13章 柊屋敷の嫁御様
お披露目の会は、順調に進んでおりました。
会場に入った時に思わぬ拍手を浴び、入場の挨拶を終えて幸福を噛みしめていた二人は、更なる喜びに包まれました。
サクナは歓談する人々に改めてスグリ姫を正式に紹介して回りました。どこでも温かく祝われて、緊張していた姫はほっと胸を撫で下ろしました。
それが終わった所で、ちょっとしたお祝いの余興が有りました。主役の二人は見ているだけの筈だったのですが、ひょんな事から加わることになり、会場は大いに盛り上がりました。

「ん…なんだか、喉乾いてるかも…」
余興の後、サクナと共に会場から一度席を外していた姫は、サクナと鼻先を触れ合わせながら言いました。口の中の潤いの感じが、いつもと違って居たのです。
「ああ。緊張してたし、動いたしな。戻るぞ。お前まだ何も飲み食いしてねぇだろ」
サクナは姫の背中に回していた腕を緩めて手を繋ぐと、会場に向かって歩き出しました。
「食べられる気はしないけど、何か飲みたいわ…やっぱり、喉からから」
二人は扉を入り、壁際の飲み物の並んでいる所に行きました。サクナは姫を見てにやっと笑い、並んだ瓶を指差しました。
「お前の好物があるぞ、ほら」
「あ!さくらんぼ酒!」
御披露目の会の宴席には、さくらんぼ酒が出ておりました。
さくらんぼ酒以外にも何種類かの果実酒が出されており、どれも全てこの家で作られた物でした。それは持て成しの為でも有りましたし、この家で作った物を味見して貰う見本の意味もありました。姫はその中から酔っ払わない様に慎重に選んで、少しずつ色んな種類を飲みました。どれを飲んでも、領主の館の茶会で出された他の場所で作られた酒よりずっと姫の口に合い、ふわふわと幸せな気持ちにさせました。 
「おい。薄めるか、少しだけにしとけよ」
「うん!すこーしだけ!!…うふふ…おいし!ねー?…」
小さなグラスにちょっぴり注がれた果実酒を舐めるように飲んでは頬を染めて笑いかける姫を見て、サクナはそれ程飲んで居ないにも関わらず、酔っ払った時の様に目眩がしました。

「お前、飲み過ぎんなよ…ほら、水も飲め、水も」
「ん、飲むわ…でも、大丈夫よ。お酒、飲み過ぎないから!サクナの…うちのお酒はすっごく美味しいから、すこーしだけでも、すごーく満足!」
「…クッソ可愛いすぎて手の施し様が無え…」
俯いて顔を覆ったサクナを見て、姫は首を傾げました。
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