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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第13章 柊屋敷の嫁御様
「ありがとうございます。スグリ様を皆さんにご紹介させて頂けるなんて、光栄ですわ」
サクナは若奥様に軽くお辞儀すると、姫に向き直りました。そして余所行き顔では無く、いつもよりは不機嫌さ少な目の普段の顔で言いました。
「スグリ」
「はい」
「少し席を外す。若奥様がご紹介して下さるそうだから、ご婦人方にご挨拶して居て欲しい」
「分かりました」
(普段から気の置けないローゼル様達と違って、若奥様はサクナと私にって言うより、今日婚約のお披露目をしてるご当主様と婚約者にお願いに来られたのよね。しっかりお仕事しなくっちゃ)
妻の務めに張り切る姫は、サクナに余所行き顔で答えて、お辞儀をしました。すると、思いがけなく頭の上に手が乗って、ふわっと優しく撫でられました。
「また後でな。お開きになったら、どんな無理な願いだろうが、全部叶えてやる」
「っ!?」
囁きを残して去って行く後ろ姿を見送りながら、姫は先程の酒が急に回って来た様に、真っ赤になってくらくらしかけました。しかしすんでのところで若奥様の事を思い出してはっとして、悶える事は踏み留まりました。
「…若奥様、お待たせ致しました。お気遣い、ありがとうございます。宜しくお願い致します」



「皆様、スグリ様がいらして下さいましたわ」
姫は若奥様に連れられて、ご婦人方が座って歓談なさっている一角に参りました。
「皆様、ご機嫌よろしゅう御座います。来春こちらに嫁ぐスグリです。お見知り置き頂ければ嬉しいですわ」
姫が挨拶すると、その場にいらした皆様も、お辞儀を返されました。
「スグリ様、こちらが北の領地の奥様です」
「初めまして、スグリ様」
「初めまして。本日はお越し頂きありがとうございます」
若奥様に紹介され、ご婦人方に挨拶され、御礼を言ってにっこり微笑み、姫はお一人お一人と挨拶を交わしました。
(ローゼル様、やっぱりいらっしゃらないのね…どちらに行かれたのかしら)
先程若奥様もおっしゃって居た様に、この席にローゼルの姿は有りません。空いている椅子は何カ所か有りますので、今だけ席を外しているのかもしれません。
一通りのご挨拶のあとは、飲み物やお菓子や果物を楽しみながら、姫も着席しての歓談になりました。
初めはこの地の印象や都での暮らし、姫のドレスの事等が話題になりましたが、全員が多少酒を口にしている事もあり、徐々に話が砕けて行きました。
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