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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第13章 柊屋敷の嫁御様
「スグリ様?」
「はい?」
「こちらでのお嫁様としてのお暮らしは、いかがですか?ご不満な事とか、お有りなのではなくて?」
「いいえ!みなさん優しくして下さいますし、食べ物も美味しいし、景色も綺麗で…毎日、とても楽しいですわ!」
姫がにっこりと答えると、質問した奥様はまた口を開きました。
「お話を伺っていて、この地を気に入って下さったのは、よーく分かりましたわ。そうではなくて、サクナ様のお嫁様としての生活はどんな風なのかしら、って」
「え?」
「そうそう!」
姫の頭が質問の意味を理解しない内に、別の奥様も畳み掛けられました。

「サクナ様はなかなかお嫁様を娶られなかった方ですし、一生結婚されないって仰った事も、お有りでしたでしょ?」
「皆様、それは」
それは結婚を控えたこの屋敷の当主の婚約者、しかも都の姫君様に聞くには、かなり不躾な質問です。
若奥様は、ほろ酔いで些か図々しくなった奥様方の暴走を、止めようとしました。

今この場にローゼルは居りませんし、バンシルも先程の余興の後は、姿が見えなくなっておりました。今日は領主様の奥方様も欠席なので、そうすると良い意味であれ悪い意味で有れ、びしっと場を仕切れる様な人物が居りません。
若奥様はお家の格だけで言えばこの場を仕切ってもおかしくない立場でしたが、先程ご婦人方に押されてスグリ姫を恐る恐る呼びに来た事でも分かる様に、年若く控え目過ぎる性格が災いしてか、周囲への抑えは全く効かないタイプでした。

「ええ、ええ、本当にねえ!」
若奥様の言葉に耳を傾けるどころか遮る様に、別の奥様が口を挟みました。
「本当に、仰っていた事と、がらっと変わられましたものねえ。ご主人振りにご不満は無いのかしらと思ってしまうのは、仕方有りませんわよねえ」

「あー、そういう事ですのね…えっと、サクナに、ご不満…」
(ご不満…ご不満…えーっと、サクナが私に構い過ぎるとか、優しく触り過ぎるとか、何でも甘やかし過ぎるとか、時々意地悪過ぎるとか、甘えてくると可愛過ぎるとか、ちゃんとしてると格好良過ぎるとか…?)
いくつか頭に浮かびましたが、どれも人に言うには恥ずかし過ぎたので、スグリ姫は口ごもったまま赤くなりました。

「もしかして、人には言い難い様なご不満ですの…?」
姫が黙ってしまったのを見た一人の奥様が、ひそひそ声で眉を顰めて尋ねました。
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