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柊屋敷の嫁御様(くすくす姫後日談・その5)
第5章 桃と来客
「悪ぃ。急に客が来ることになった」

屋敷に来て、二日目。
朝食を終えて今日やることを話しながらお茶を飲んでいると、サクナが部屋の外に呼び出されました。
戻って来て姫とバンシルに不機嫌そうに言ったのが、来客の予定が出来たという事でした。

「お客様?」
「仕事の客だ。お前は会わなくていいぞ…ただ、昼過ぎまであっちに籠もる事になる」
サクナがあっち、と言ったのは、手振りからすると執務室の様でした。
来客をどのように分けているのか姫には分かりませんでしたが、ローゼルに案内して貰った時の話では、屋敷に隣接した仕事場にも接客の場は設けてある様でした。

(こちらで会うお客様なら、きっと大事なお客様なのね)
姫はサクナの話を聞いて、お仕事のお邪魔にならないようにしなきゃ、と思いました。

「かしこまりました。それではまず、昨日話したことを姫様にお伝えして、ご意向を確認しておきますよ」
「そうしてくれると助かる。済まねぇな、スグリ」
「ううん。お仕事がんばってね」
サクナは、ああ、と姫の頭を撫でて、退室しようとしかけました…が。

「そうだ。二人にもう一つ頼みがある」
「はい?」
「何ですか」
「スグリ、昨日の桃をバンシルに渡してくれるか?バンシル、それを後であっちに届けて貰えると助かる。客がご所望だ」
「あれ食べかけだけど、良いの?」
昨日の桃とは、サクナが部屋に持ってきて姫が昨夜と今朝食べた、桃の瓶詰めのことでした。
瓶から取り出すときに痛むような事はしていませんが、開封はしてあります。
スグリ姫は、新しいとは言えない残り物のような物をお客様にお出ししていいのかしら、と思ったのです。

「構わねぇ。一番良い奴出す事になってる客なんだが、よりによって桃食いてぇとか言いやがって…もっと食いたかったか?」
サクナは姫に、来年もっと美味い奴作るから許せ、と言いました。

「ううん、もう充分頂いたもの…けどあれ、一番良いのだったの?」
「そうだ。美味くなかったか?」
「ううん!ものすごーーく、美味しかったわよ!」
桃は、二回食べました。二回目は、桃のあまりの美味しさで目が醒めたほどです。
一回目の桃を食べた時は半分寝ていたので、正直味はよく憶えておりません。
ですが、この世のものとは思えない様な、物凄く甘くて良い匂いでふわふわ気持ち良く幸せな夢を見たのは、はっきり記憶にありました。
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