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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第16章 用法用量は大切です

 サクナ様の、にっこり。
 貴重品だね……ってか、珍品だね。
 同じにっこりでも、スグリ様たぁ全然違う。魔王のにっこりってなぁ、悪い顔って事だぁね。怖っ。

「お前……あの酒を、ローゼルにやったのか?」
「ぅくっ!」

 魔王がにっこりしながら言うと、スグリ様ぁ姫らしからぬ異音を発して、一瞬黙った。

「…………ええ。だってっ……ロゼが、悩んでたんですものっ……ビスカスさんがいつも遠慮して、ロゼばっかり気持」

「あ?きも?」

「きもっ……きっ……肝の据わった妻としての役目を果たせてるのかなー?ってっ!!!!」

 ……スグリ様。
 こんな時間から四人で膝ぁ交えて下ネタに耽るなんてなぁ、避けてー気持ちは、分かりやす。
 分かりやすけど、そりゃあちっとばかり、無理矢理過ぎやしやせんか。
 ……しかし。
 リュリュぁ、そんなに悩んでくれてたんですねー。
 自分だけきも…………じゃねーかって悩んで、俺をきも…………してくれようってなぁ、可愛過ぎる悩みじゃねーですか?
 ……やっぱ、最高の女だね。俺にゃあもったいねーやねー。
 そう思って、やに下がってたら。

「……ひどい……」

 ずっと黙ってた俺のリュリュが、涙声で呟いた。
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