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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第8章 ビスカスくんの一番長い日
「スグリ様、すいやせんが、もし立てる様なら、サクナ様ぁ呼びに行って頂けると、有難ぇんですが…居ねぇ様なら、クロウでも」
今やんなきゃいけねぇのは、ウサギ姫を安全なとこに置いとく事と、若奥様をなるべく穏便に大人しくさせることだ。サクナ様かクロウなら、上手く事を納めてくれるだろう。
それ以前に、ここまでちゃんと来られんのは、その二人だけだしな。

「でも、ビスカスさん、血っ!」
「血は今んとこ、大丈夫です。鋏なんざ、握っときゃこれ以上は、切れねぇですから…誰か来てから、何とかすりゃあ…今お手伝い出来ねぇんですが、立てますか?」
「…うんっ!!」
涙目のスグリ様は力一杯頷くと、よろよろしながらも立ち上がろうとなさった。
さすが、薪も運べてサクナ様の嫁にもなれるカヤネズミだね。肚ぁ座ってんな。

「…このっ…待ちなさい…!」
「おっと。若奥様は大人しく、ここで俺と遊んでやしょうねえ」
スグリ様が立ち上がると、若奥様の顔が恐ろしく歪んだ。

なんで、スグリ様なんだ?
何かの理由で正気を無くしてるにしても、なんでここまで執着してんだ?

若奥様がスグリ様と会ったなぁ、二回かそこらだ。スグリ様を害したいと思う程の知り合いじゃ無ぇだろ。
この鋏だって、多分若奥様の「御守」って奴だ。だから、今日スグリ様を傷付ける為にわざわざ持って来たって訳じゃ無え可能性が高い。
若奥様がーー若奥様にこんな事をさせようとした誰かが傷付けたかったのは、本当に、スグリ様なのか?

「スグリ様、構わねぇから行って下せ」
「…あととり…」
「ぁ?!」
ようやく立ち上がったスグリ様に声を掛けた時、虚ろな呟きが聞こえた。

(アトトリハ アナタジャナクテ ウチノヒトヨ)

耳が音を拾った途端に、頭が煮えた。

「…んっの、」
「っああああっ!?」

気が付いたら。

「ッソ野郎がああっ!!」
「ああああああああ!!」

手を捻り上げて鋏を落としてそのまま床に叩き伏せて気絶したのを確かめて、というのが終わった後だった。


…やべえ。
俺は後の祭りで、昏倒してる若奥様が無事かどうかを検分した。
あーあ。誰だよ、こんな細っせぇ女を叩きのめした奴ぁ…
…俺か……。
こりゃあ、しばらく寝込まれるかも知れねぇねー。
骨ぁイッて無さそうなのが、不幸中の幸い…って言ったら、若奥様の義妹様にすげー勢いで怒鳴られそうだね…。
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