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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第8章 ビスカスくんの一番長い日
ま、仕方無ぇな。
女だろうが身内だろうが、敵は敵だ。
俺の聞き間違いか誤解かも知れねぇが、聞き捨てならねぇ事を俺の耳が拾った時点で、考える間も無く敵になっちまったんだから仕様が無え。敵に上手く加減してやるなんざ出来ねぇよ。
俺も正気じゃ無かったって事で、お相子だな…ってな通じねぇな。お嬢様に余計な言い訳するつもりぁさらさら無ぇから、きっと氷の様な目で見下されて冷たく怒られるねー。理不尽極まりねーな。

「スグリ様、お待たせしやした。立てますかい?」
俺は溜め息と共に若奥様の無事…って言やぁ無事で無くもねぇって事の確認を終えて、また座り込んじまったスグリ様の所に行って、屈んで話し掛けた。

「…ありがとうっ…ごめんなさいっ…」
スグリ様ぁまた目に涙を一杯にして、鼻をすすった。泣きウサギだな。おっそろしい目に遭ったんだから、無理も無えやな。
「謝らねぇで下せえ…あー、感極まって抱き付いたりとか、絶対止めて下さいね?若奥様よりよっぽど危ない奴が来ますんで」
「え?…あ、血っ!」
スグリ様は抱き付いちゃあ来なかったが、俺の手を両手で取った。

「あー、大丈夫です、大丈夫です。もう止まってんじゃねぇかって位ですから」
「大丈夫じゃないわ…ごめんなさい、何か布でも有れば良かったのだけど」
スグリ様が身に付けてんのは、服と薄衣だけだ。薄衣の金糸や銀糸ぁ綺麗だが、傷にゃあ悪そうだねw…あ。
「そうだ、これ…」
俺ぁ懐に手を入れて、館から持って来た物を血の着いてねぇ方の手で、懐から出し…た筈が、失敗した。反対の手も綺麗じゃ無かったらしい。

「うわわっ、血ぃ付けちまった…すいやせん、お返ししようと思ってたんですが」
ウサギ姫様に栗拾いで変態について聞かれた時に、お借りした手巾だ。
「あ!ちょうど良かったわ。それ、貸して?」
「や…もったいねぇですから」
「良いの!ビスカスさんの手当ての方が大事よ」
スグリ様は手巾を俺の掌に巻いて、傷の辺りを押さえて下すった。手当てを受けながら、俺はスグリ様に言い訳した。

「お嬢様が今朝、なんとなく熱っぽかったんでさあ。なもんで、スグリ様にこいつをお返しして、ついでにこの前の冷やっとする水の作り方を教わっとこうかと思ったんですが…お返し出来なくなっちまいました。すいやせん」
手巾は手当てに使われて、血が付いたどころか、血塗れになっちまった。
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