この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第11章 嗜みは必要です
 ……うーん。
 ポットの持ち手に指が通ってねえってなぁ、すこぶる持ち難いもんだねー。通ってたって持ち難いんだから、勘弁して欲しい。
 そして、ポットを持ち上げて皿に乗ってるカップの中に茶を注ぐってのが、俺にゃあ非常に難しい。
 こういう事が難なく出来るサクナ様なんかにゃあどこが難しいんだと言われんだろうが、茶を淹れるにゃあ、やるべきことが沢山有る。
 ポットを持つだろ。
 傾けるだろ。
 傾けた口の先から出る茶を、カップに命中させんだろ。
 これ、ポットの口をカップに入れんじゃねーんですよ?先から流れて出てくる茶を、入れんですよ?液体ですよ?どこ行くか分かんねーじゃねーですか?
 しかも、カップの中から外れちゃいけねえ。皿に零しちゃいけねーんですぜ。せっかく器が有んだから、しち面倒臭い事言わねーでカップにも皿にも満々に注ぎゃあ良いじゃねぇですか。
 んな事を考えねーようにしてたら余計考えちまってたんだが、考えながら茶を淹れてたら、酷い失敗も無く終わってた。
 ……見やしたか、お嬢様!!
 ビスカスは、成長しやしたぜ!!背は全然伸びてねーけどな!!!!
 俺はお嬢様の方を見てみたかったが、その前に坊ちゃん様にまた話し掛けられた。

「お前、以前僕の事、すごい目で追い払ったよね?」

 俺はカップを倒さねぇ様に気を付けながら慎重にポットを着地させると、一息吐いて坊ちゃんに答えた。

「……お小さい頃、お嬢様に悪戯を仕掛けられた時の事で御座いますか?」

 俺は坊ちゃん様の質問に、質問で返した。有り体に言って、時間稼ぎだ。御従兄弟坊ちゃんが、そうだったっけ?と考えてる間に、お茶をお二人の前に置く。こういうのを、生活の知恵って言うんでさあ。

 それにしても、お茶ってな注ぎ終わっても気が抜けねーね。皿に乗せたカップを、お客様の前に置かなきゃならねーんですからねー。
 んなもん、揺れたら零れんでしょうが!皿に乗せねーで、カップだけ置かせてくれりゃあ良いでしょうが!!
 もっとも、自分が飲まねーカップなんざ大概斜めに持っちまうから、カップだけでも零れるけどな!!
 ……なんて考えて粛々と手を動かしてたら、なんと、茶の入ったカップの乗った皿は、お二人の前に魔法の様に移動した。皿やカップが歩かねーなら、俺が置いたってこった。俺にしちゃあ上々の出来だな。
 俺は、心の中で歓喜した。
/141ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ