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SSS
第1章 誓いのイースター・エッグ
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数時間後–––
疲れ切って眠ってしまった美和を優しく撫でると、凪は喉の渇きを覚え台所に向かった
美和の両親はまだ帰っていないらしい
仕方なく勝手にグラスを拝借し、水道水を注ぎ入れる
「……ゴクッ」
冷たい水に喉を鳴らす凪の目に、大量に積まれた卵が飛び込んできた
”ああ、イースター・エッグか”
白でも茶色でもないその色合いに凪は近づき一つ手に取って見た
「……!?」
そこに描かれた–––いや、書かれた言葉に彼の動きが止まった
”凪のバカ。バカバカバカバカ”
それは明らかに美和の文字で、赤や紫といったおどろおどろしい色で綴られていた
可愛く色付けされたものもある中で、逆にそれが信じられないほどの存在感を放っている
”絶交。”
大きくそれだけ書かれた卵もあり、凪はこれまでのどんな喧嘩よりも恐怖を覚えた