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SSS
第1章 誓いのイースター・エッグ
メッセージから一日と経たないうちに、凪は日本の空港に降り立っていた
久々の日本だ
–––別に何の感傷も湧きはしないが。
「……」
家族には到着の詳しい時間は伝えていない
”陸とかに出迎えられてもウザいしな”
出発前、わざわざ見送りにやって来た兄を思い出す
相変わらず院で気ままに過ごしているのだろうか
そんな薄情な凪がまず真っ先に向かったのは、言わずもがな、美和の家だった
ピンポン
「……はい」
「俺だ」
インターホンの向こう側から聞こえた懐かしい声に昂りながらも、敢えて冷たい声で告げる凪
「…どちら様でしょうか」
「……!?」
家を間違えたか?
いや、外には”川本”の表札。
幼馴染の声を聞き間違えるはずもない
”まさか……”
また記憶を喪ったのか、と絶望的な考えが脳裏を過る