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白紙
第4章 利用



彼はわたしに背を向け、深くかぶっていた帽子をとった。

髪は自然な栗色。


「お腹空いたか?」


彼が振り向く。
わたしは顔が赤くなってしまった気がした。

犯罪を犯す人の顔を勝手に想像していたが
まるでかけ離れた顔をしていた。

わたしよりもずっと美しい瞳をしていた。

ただ、頬に薄く残る切り傷の跡に目がいった。


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