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本の夢…
第4章 癖になる宿題



教室の外に斉藤先輩がいる。

今更何?

そう思う。

だって先輩はお正月に茶髪の女の子と遊んでたじゃん?

先生も先輩みたいな人とはもう付き合うなって言ってたもん。

一応、教室の前に行く。


「なぁ…、今日は久しぶりに一緒に帰ろうぜ。」


先輩がそんな事を言う。


「無理です。」

「なんでだよ?」

「図書館で勉強をするんです。」

「そんなのどうでもいいじゃん?今日は俺の家に来いよ。」

「行きません。先輩とはもうお付き合いはしません。」


ちゃんと言えたと思った。

バシッ!

凄い音がして耳がキーンとかした。


「キャーッ!?」


教室の方から悲鳴がした。

頬がヒリヒリとした。


「つまんねぇ女だな。」


そう言った先輩が立ち去った。

すぐに英語の先生が走って来た。

女の先生…。

担任の先生…。

結構、おばさんな先生。


「大丈夫!?また3年生の斉藤君なの!?」


先生がそんな事を言って私を保健室に連れて行ってくれた。

またって…、なんだろう?

先生が私の頬に冷却剤を当ててくれる。


「斉藤君ね。2年生までは優秀な子だったの。だけど3年生になっていきなり成績が落ちてね。大学も全部ダメだったから、ずっと荒れてて…。」

「上垣さん…、大人しいから…。斉藤君の言いなりになると思ったんだろうね…。」

「でも、暴力行為を認める訳には…。」

「もう、卒業なのに…。」


そんな話を担任の先生と保健室の先生がしてる。

幸い私の顔は腫れなかった。

ちょっと唇の端が切れただけだった。

先輩は後3週間で卒業だから、とにかく先輩には近寄らないようにしなさいとか担任の先生に言われた。



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