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第1章 はじまり

とある土曜日の夕方。

とある保育園では、一人の保育士がそろそろ仕事を終えて帰宅しようとするところだった。

彼女は勤務二年目の若い保育士。

この日は子どものいない出勤日だったが、二年目ということもあり、一人で休日の出勤を任されていた。

戸締りなどの確認も終わり、あとは時間を待って、鍵を閉めて帰宅するだけとなっていた。


あの男が来なければ、なんの変哲もない、いや、彼女の一言が、彼女の不幸をもたらしたのかもしれない。


時計を眺めていると、玄関のチャイムが鳴り、彼女に不幸をもたらす来客を知らせた。