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つらい恋なんか投げ捨ててやる
第2章 ありふれた恋のありふれた顛末

それなのに、彼はわたしを何度も求めた。理由はよく分からない。度々聞いたが、恋に落ちるのに理由はいらないとかキザな台詞ではぐらかされ、関係の始まった頃はわたしもその言葉を信じたものだ。しかし実際のところは、若い娘との危険な行為を誰にもバレないように続けている魅力ある雄《オス》的な自己満足と優越感を愉しんでいたのではないか、と今は思っている。もちろんそこにはわたしへの好意(欲望と言い換えてもいい)もある。でなければ四年も関係が続かないだろう。

