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つらい恋なんか投げ捨ててやる
第3章 つらい恋を投げ捨てろ 前を向いて胸を張って歩けるように
「降りるだって?どういうことだ」
「この車から降りて、あなたへの愛から降りて自分の足で歩く」
「なに・・」
「その、橋の手前で降ろしてください」
「何だ。いったい何なんだ。きみは・・」
「車を止めて」

車がスーッと道路脇に寄せられて止まった。わたしは彼の首に腕を回して最後のキスをする。そしてドアを開け、呆気にとられたようにわたしを見ている彼を残し、車から降りた。

「さようなら。今までありがとう。幸せな恋とつらくて悲しい恋を教えてくれてありがとう。あなたのことは忘れます」
「なっ、待て!待ってくれ」
「わたし、このままあなたのそばで儚く散りたくないのよ。わたしにまだ“若さ”というものが残っているうちにあなたとのつらい恋を終わりにします」
「どこかでゆっくり話し合おう。それに、ここで降りてどうやって帰るんだ」
「駅まで歩いて新幹線で帰るつもり。だから心配する必要はありません。わたしはあなた無しで生きていく決心をしたんです」
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