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甘ったれなブルー
第2章 幸せのブルー
川沿いの桜並木はこの辺りのローカル名所だ。僕の予想どおり人出が多かったので、はぐれてしまわないように沙羅と手を繋いだ。

「ありがとう」「どういたしまして」

沙羅はよく“ありがとう”と言う。自然に口をついて出るようだ。大したことをしていないのに何度も礼を言われると何だか困ってしまう。でも僕は、少しだけ首を傾げてからはにかみを含んだ声で口にされる、彼女の“ありがとう”が好きだった。心の中まで優しく染み渡るその言葉は、そのまま彼女の優しさを表している。

彼女は僕のことを優しいと言ってくれるけれど、自分ではよく分からない。僕に言わせれば彼女が優しいのだ。沙羅の優しさが僕という鏡に映っているだけだと思う。


沙羅の手を握り、薄桃色の天蓋のようになった桜の下をゆっくり歩いた。彼女の表情は明るくとても楽しそうで、いつもの哀しみはやって来ないようだった。
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