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ほのぼのした時間を
第12章 クリスマスフェス参戦
会場出入り口付近まで来ると、目の前に顔を真っ赤にした男の人が立ち塞がった。
「姉ちゃん見ない顔だな…」
「えっと…」
「スタッフかコンパニオンか?姉ちゃんついでに一緒に飲まねえか?」
「いや、ちょっと…」
一気にまくし立てられ、返答に困っていると、後ろから肩を後ろに僅かに引かれた。
優しく包んでくれる人はもちろん…
「ごめんごめん、マネージャー。呼び出しって何?」
「なんだ?その子ハルんとこのマネージャーかよ」
「そうなんすよ。普段裏方で仕事してるんで…」
マネージャーというのはその場を誤魔化すための嘘。
春人に背中を押されながら、会場を後にする。
「先輩すんません。ちょっと抜けますね」
「はいよ」
会場の外に出ると、人の往来が少なそうな通路の椅子に座った。
「ごめん、音楽雑誌の記者さん居ったから、茜さんの事マネージャーって誤魔化してもうた…」
「ううん、それより抜けて来て良かったの?」
「うん、また後で戻るからいける」