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ほのぼのした時間を
第12章 クリスマスフェス参戦

「それより」と耳元に唇を寄せて、そっと囁かれた。

「近くのホテル取ってるから、部屋で待っといてくれやん?」
「うん」

ホテルを検索すると、会場から徒歩5分ほどにあるという。
ライブ会場からも見えるらしい。

「俺も理由付けて打ち上げ抜けるから」
「いや、私は待ってるから。抜けたら変に思うんじゃない?」

「もう、分かってへんなー。茜さんと初めてクリスマスイブ過ごせるんやで。バンドマン同士で打ち上げすんのも楽しいけど、1番は彼女と過ごしたいに決まってるやん」

必死そうに手を握ってきたので、私も同じ気持ちだと伝わるように手を握り返した。

「あっ…」

向かいから人が歩いてくるのが見えて、パッと手を離してしまった。

「…ああ、人来たんか。じゃあ、俺行くから。また後でな、マネージャー」

すれ違うように春人は立ち上がって、歩き出した…
…と思ったら、その人が少し離れると足早に私の方に戻ってきて、頰にそっとキスをしてくれた。




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