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ほのぼのした時間を
第15章 バンド内ワチャワチャ

3.無意識の愛情表現

茜サイド

今日はBlue Eyesのワンマンライブを観に来ています。
私は最前近くのステージの真ん前に居て、お客さんに揉まれながらライブを楽しんでいた。
ライブも終盤に差し掛かり、春人達もお客さんのテンションもマックスに。

そんな中、春人は客席に身体を投げ出して、お客さんが身体を支えるように腕を伸ばした。
そんな中、揉みくちゃにされる私と目が合うと、サッと手を出して、私の手を握ってきた。

え、何…

チュッ…

「……!?!?」
「…きゃあああっ!!」

春人が身体を屈めたと思ったら、指先にキスをされた。
私は思考停止、お客さんからは一瞬の間を置いてから、黄色い悲鳴が上がった。
すぐに春人は誤魔化すように2人程手を握っていたが、キスをする仕草は見せなかった。

腕を上げていたお客さんが多く、密度も高かったからか、ライブ後に特に話しかけられたり、注目されたりしなかったので、キスをされた人が私だとはバレてない様子…

「もう信じらんない!!お客さんいっぱい居る中で、あんな!」
「ごめんなさい…茜さん見つけてテンション上がったからつい…でも、ライブではようお客さんの手繋いだりするから、怪しまれてないよ…多分…」
「多分じゃない!!」

1週間ぐらいは警戒していたけど、騒がれている様子も無く、ホッと一安心した。

ちなみに、あんな大胆な行動をした春人には、ちょっとお仕置きをしておきました。


ー完ー




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