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嘘やろ!?
第17章 卒業



また不機嫌になる透が怖い…。

ご飯を食べながら俯いてまう。


「朱音…、あの学園でずっと働くつもりか?」


いきなりの質問…。


「うん…、あかんの?」

「いや…。」


透が窓の外を見る。

学園長との付き合いや、私と学園長の父親の事はちゃんと透には説明済み。

その目には何が見えてんの?

父は透には未来が見えてると言うてた。

透に見える未来には私はちゃんと居る?

聞きたいのに聞けない。


「アゴ…、買いに行こう。」


突然、透が言い出した。


「へ?」

「アゴ出汁の親子丼が美味いんやろ?」

「うん…。」

「晩飯に食いたい。」


透がそう言うと手を繋いでファミレスを出る。

スーパーに透の為の買い物に行く。

ずっと透が手を繋いでくれる。


「週末は来いや…。」


スーパーのど真ん中で頭にキスをして来る。

新婚気分に顔が熱くなる。

やっと卒業した…。

もう透との関係から逃げる必要はない。

まだ、しばらくは週末に部屋に通うだけになるけど胸を張って通えると思うだけでニヤケてまう。

あかん…。

やばい…。

幸せやん!

ニヤケる私に透が呆れてる。


「涎…、垂らすなや。」

「垂らしてないわっ!」

「帰ったら確認したろか?」


下の口の事ですか!?


「猿っ!」

「猿言うな。」


いつもの口喧嘩にもホッとする。

今度こそ、大丈夫…。

透を信頼してやればええだけやん。

またしても甘い考え…。

懲りない私は今しか見えない女だから…。

手を繋いで歩いてくれる透の手を離さない事だけに必死だった。

未来は透だけが居ればええねん的な考え方で突き進む私を透はずっと呆れて見てるだけやった。


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