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愛おしいキミに極甘な林檎を
第34章 アナタを信じているから……



「ふふっ、颯太のためになれて嬉しい」


無理に笑顔を作っていたけど内心不安だった。


颯太が携帯電話から離れている時にメールが届き、送り主の名前を見てしまったことが何度かあるから。


メールが届いた時に数十秒だけ映し出される画面に出ていたのは女の名前。


仕事の話と言われてもその女の名前を見るたびに不安になっていって胸がズキズキと痛かった。



他の女に取られたくなくて颯太の住むアパートの玄関のドアを閉めるまで笑顔を絶やさずにいた。


ひとりで帰る夜道はとても寂しくて、前が全く見えない未来にとても不安だった。



* * *




その不安は当たっていたのに修羅場になるまで私は颯太のことをずっと信じていた。


今となっては、心の中にしまってある浅はかでとても苦い思い出。


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