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愛おしいキミに極甘な林檎を
第34章 アナタを信じているから……



「さっきも確認したけど、どちらも持ったから大丈夫だよ」


何度も同じことを言ってしまうほど動揺している私を前にソラ先輩は冷静でいた。


まるで遠距離恋愛をしていた頃のような光景。


刻々と近づいてくる出発時間が怖くて、少しでも長く触れていたくて繋いでいる手を離せない。



もし、海外で病気が悪化して一生帰って来なくなってしまったらどうしよう……。


会うのがこれで最後になってしまうなんて、そんなの嫌だ……。



腕時計で時間を確認しながら私の顔を伺ってくるソラ先輩は困ったように笑っていた。



今、どんな気持ちで何を考えて海外に向かおうとしているんだろう。



私を悲しませないために遠くで死んでしまってもいいとか思ってないよね……?



「また美味しそうなお土産を買ってくるから楽しみにしていて」


「…………」


「風子?」



「猫は死ぬ前に姿を消すと聞きます。ソラ先輩はそんなことしませんよね……?」


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