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愛おしいキミに極甘な林檎を
第34章 アナタを信じているから……


余命のことは話していない。

でもソラ先輩が知っているとしたら別だ。

だからどうしても気になって、離れる前にここで聞いてスッキリしておきたくて口に出してしまった。



「えっ……?ああ…、うん……」


「必ず元気に帰ってきてくださいね」


「約束するよ」


向こうでは人がたくさん歩いているのにも関わらずソラ先輩にぎゅっと抱きつく。


今は他人に見られる恥ずかしさなんてどうでも良かった。


もうすぐ離れる時間がやって来てしまうから……。



しばらく胸に顔を埋めてから見上げるとちゅっと優しくキスをされた。


朝、仕事に送り出す時にするキスと一緒のもの。



キスが終わってからソラ先輩が行ってしまう時、笑顔を作って送り出した。


口角を上げて笑っているのに、瞳には涙がじわじわと浮かんできて頬を伝った。



離れ離れの五日間。


私はソラ先輩を信じて待つしかなかった————


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