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愛おしいキミに極甘な林檎を
第38章 真実と愛のかたち



真っ直ぐに答えると父と母は眉を下げながらも微笑んで納得してくれたように頷いた。


「色々と手続きがあるから一度海外に帰らないといけないんだけど、秋には引っ越してくるからいつでも会いに来てね」


「はっ、はい……。祖父にお金を返さないといけないので顔を見せることはあると思います……」



跡を継ぐことを条件に払ってもらっていた八百万円を返さないといけない。


社会人になってまだ二年目。


この大きな金額を祖父が生きているうちに返せるかどうかは分からないけど……。




「――――その必要はない」


祖父の声がして、空いていた扉の方を見ると理人さんに体を支えられてやって来た。


私を奪っていったソラ先輩がいるからまずは気まずさを感じた。


そしてお金を返す必要がないことを否定したくなる。



「いえいえ、うちの問題ですし。おじいちゃんと交わした約束も破ってしまいましたし、こんな大きな金額を払ってもらったままではいけません」


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