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愛おしいキミに極甘な林檎を
第38章 真実と愛のかたち



「そんな金をわしは払っておらぬ」


「え……?そうだったんですか……」


お金を払っていない……?


つまり借金は返されていなかった。


私が幸せになるために送り出してくれた乙羽家の両親は、相変わらず借金で苦しんでいたということになる。


今までの約束は一体なんだったんだろう……。



青ざめてしまうほどショックを受けているとソラ先輩に肩をぽんぽんと叩かれる。

そのおかげで我に返った。


開いた口が塞がらないままソラ先輩の顔を見るとどうしてなのか微笑んでいた。



「元々、乙羽家の借金はないんだよ」


「へっ…、借金がない……?」


余計に唖然としてしまって口が渇いてきた。


同時にクエスチョンマークが頭の上に沢山出てくるくらい混乱してしまう。


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