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愛おしいキミに極甘な林檎を
第38章 真実と愛のかたち



いじめ、失恋、記憶喪失、その他諸々と今までいっぱい見せてきてしまった。


もう見せたくない涙を我慢するためにシャツを握っていた手に力が入る。



「親を転々として、私は生まれてこなければ良かったのかなって心のどこかで自分を否定して生きてきました。

だから自分を自分で愛せなくて、誰かに愛してもらいたかったんです。


でも産んでくれた母に捨てられていないと肯定されて、自分でも自分を愛することができると思ったのでその努力をしようと思います。


……そしたらもっとソラ先輩のことを幸せにすることができますよね?」



笑顔でソラ先輩を見上げて自分の気持ちを伝えると優しい目をして微笑んでくれた。



「……願ってもないことだね」



二人でベンチに座ってから止まない雨を眺めた後、ソラ先輩に濡れた後ろ髪にそっと触れられて口づけをされた。



「んっ……」


二回目にされたキスで下唇を甘噛みされて冷えた唇に熱がともる。


愛しい熱に自分の熱を重ねたくて私からもキスをした。


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