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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去



「その通りだ……。何も勝てなかったからこそ、一番欲しがっているものを先に奪って優越感に浸ってた。

風子だけでなく塑羅緒のことまで傷つけて最低だよな」



私の体と心を奪ってそんなことを思っていたとは目を丸くする。

まるで子供の喧嘩のようだ。



記憶をなくす前から私を好きでいてくれたソラ先輩は奪われても颯太のことを見捨てたりしなかった。


きっと私が想像するよりもずっと複雑な気持ちでいたんだろうな……。


「そう思うならソラ先輩に謝ってください」



「入院してる時に久しぶりに二人だけになれたから謝った。そんなくだらない事に風子を利用していたのかって怒られたけどな」


「なるほど……。ソラ先輩らしい怒り方ですね……」


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