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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去



「でも付き合っているうちに風子を好きになっていったのは嘘じゃねえ。
今まで色んな女と付き合ってきたけど、長く付き合ったのもここまで本気で好きになれた女もおまえが初めてだ」


「あはは。一応、私はあなたの本命になれていたってことですか」



「離れていく前に大事なことに気付いて伝えていれば良かったって思う。……だけど今こうやって話せているのは、もう戻ることができねえって分かってるからなんだろうな」



目を向けてくるけどもう手を伸ばしてくる気配はない。

少しずつ颯太の気持ちを知って、二度と繋げることのない手を私もベンチの上に置いた。



「おまえが塑羅緒と付き合って一緒に笑っているところを見ていたら無理だって余計に思い知った。寂しがり屋で人の顔色ばかり伺ってくる風子を幸せにできるのはくそ真面目で優しいあいつしかいえねよ」


ふんわりとした風で顔にかかった髪を耳に掛けて、照れ臭くなりながらもこくんと縦に頷く。



「実は、今回東京に来たのはソラ先輩の家族に結婚の報告をするためだったんですよ。来年に籍を入れるんです」


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