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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛

永遠を誓って私が愛しているのは夫。
小さい頃に欲しかった家庭を手に入れたんだからこれ以上何もいらない。
次の日。仕事が終わった後、帰り道を歩く。
午後二時で終わるパートタイムの仕事が終えると子供を預けている実家に行かなければならない。
今日は雨が降っていていつもより一段と寒く感じた。
冷たい指先を温めながら傘を持ち、お店が立ち並んでいるところを歩いていると前方から知っている人が歩いてくる。
目が自然と合って、私の方へ近づいてきて話し掛けてくることが分かった。
「また会ったね」
穏やかな笑みを向けて私の側にやって来たのは塑羅緒さんだった。
「こんにちは。今日はこっちの方で仕事ですか?」
「今日は有休なんだ。それで近くのコンビニに買い物に来たところ。風子は?」
「新しく始めた仕事の職場がこの近くなんです。それで仕事が終わったところで……ひゃっ!?」

