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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

仲直りすることを提案してみると、課長のこわばった顔つきが緩んで仕事の休憩中にいつも見せてくれる穏やな笑みを浮かべていた。
「そういう優しいところがあるから調子が狂ってしまう……。乙羽がそれでいいならいい」
「ではそうしましょう。職場では余計な悩みを抱えずに仕事をしたいですし」
全てはお互いの仕事のため。異性として仲良くしていたいわけではない。
私はそう思っていても課長はどう思っているのか分からないけど……。
こんなに会話をしていてもクリスマス目前で客が多いからか、陸田さんはまだ店から出てこない。
暇な時間を利用して私もソラ先輩にあげるプレゼントを探しに行きたいくらいだ。
「……初めて喧嘩をしたな」
「仕事では上手くいくんですけどね」
「乙羽とは言いたいことを言える関係になれていると思う」
「確かに言えてます。課長と二人でいる時はもう素でいれますもん」
「オレもだ。ここまでお互いに自分の気持ちをぶつけることのできる女性は初めてだ」

