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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「雪が降ってきましたねー。そういえば、うちの奥さんが妊娠してるかもしれないんですよ。身体を冷やしてないといいなー」
三人で駅前のショッピングモールを出て外を歩いている時に、陸田さんが寒さに全く負けてない笑顔で言う。
陸田さんが結婚したと聞いたのは冬になる前。
子供ができるのが早いなと思ったけど、職場で性行為をするほど盛んだったからおかしくない。
寧ろ、その時妊娠したんじゃないかと思ってしまう。
「おめでたいこと続きだな」
「奥さんが心配なら私を送ってないで早く帰ってくださいよ」
「お礼はちゃんとしないと。……いやー、今年のクリスマスはついに幸せですよー。
独身時代はリア充爆発しろー!とか、ラブホに置いてあるコンドームに穴が開いてますようにとか歪んだことを思ってましたよ。
でも今は微塵も思いません。ひとりじゃないってこんなにも幸せなんですねー」

