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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「……私が嫌なんです」
「理人くんとの子供を孕ませようとした時も嫌がっていたよねぇ。相当、妊娠したくないみたいだけど風子ちゃんは子供が嫌いなの?」
「嫌いってわけではないと思うんですけど……。子供を私欲の道具にしたくないんです」
「今回は少し違うんじゃない?道具としてではなくて、彼氏くんと二人でずっと愛していく対象でしょ?子供を作るのが早いか遅いかの問題だと那砂は思うけどなぁ~。……あっ、イケメン発見」
席の近くを通り過ぎていった若い大人の男性を狙うように横目で見ている那砂さん。
「あの尻、脱がせると引き締まっていそうで良さそうだわ……。うふふ、あの子もタイプかも」
そのイケメンはカッコいいとは思うけどソラ先輩ほどではない。
今は他の男の容姿どころではなくて、私は一目見ただけですぐに手元に視線が戻った。
入籍する予定の日までまだ数ヵ月もある。
婚約を破棄されないための最後の手段は子供か……。
「赤ちゃん……、できるでしょうか……」

