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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「クリスマスなのに可哀想ねぇ~。っと言ってもクリスマスイブは明日だけど。でも彼氏くんのことだからきっと帰って来るって。男は一人になりたい時もあるものなのよ」
「このまま帰って来なかったら嫌ですし、やっぱり連絡した方が……」
「あー、もう。風子ちゃんはウジウジモードになっていてダメね。彼氏くんは実家に行っていてもいいって言ってたんでしょ?
だったら理人くんも呼ぶからこれから三人でクリスマスを満喫しましょう。……つらい時はひとりで悩んでいるより誰かといた方が楽よ」
「……はい」
那砂さんは最初は嫌な人だったけど、女の気持ちも分かってくれるから今では頼もしく見える。
ここまで真剣に話を聞いてくれるのは颯太のためなんだろうけど……。
二人の希望を叶えるためにも、何としてでも婚約を破棄されることを止めないといけない。
落ち込んでいたけど、そう思うと少し勇気が湧いてきた。
カフェを出てからは理人さんと合流してお店を見て回って三人で遊んだ。
私は二人の邪魔をしないように付き添うような形でいたけれども。
ファミレスで昼ご飯を食べ終わった後、那砂さんが紙袋からプレゼントを取り出す。
「理人くーん。今年のクリスマスプレゼントを早めに渡しておくねぇ。夜にひとりで使ってー!」

