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第8章 邂逅と甘美なデート

「付き合ってるわけないじゃないですか。色々事情があって嫌々同居しているんです。
その人の兄弟とおじいちゃんも一緒ですから二人っきりではないですからね」


「事情……？」

「実はですね……――――」


父が作った借金を払うために、血が繋がっている祖父と交わした約束のことをソラ先輩に話す。

恋人になる前からの長い付き合いだから一回説明しただけで状況を理解してもらえた。


「なるほど。つまり風子は借金を返済してもらった代わりに跡を継ごうとしているんだね」

「はい……」


ソラ先輩の表情を曇らせてしまったから言わなければ良かった。

でも私との交際の続きを望んでいるならいずれ話さなければならないことだ。


「……そっか。結婚か……」