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第52章 溺愛カレシと濃密な夜

「どうなんだろう。早くなんとかなればいいんだけど。分かっていると思うけど、恋人のフリと言ってもあからさまにする必要はないからね」


「要は一人で街を歩くなってことでしょ。玄関に帰るまでが仕事だと思ってやり過ごしますから」


「物分かりがいいね。……でも手を繋いだりしちゃダメだよ？」


水の中で手を掴まれた後、耳朶を唇で甘噛みされて体がビクンッと震えた。



「してませんって……。心配するなら課長に頼まなければ良かったじゃないですか。理人さんもいたはずです」



「風子にとって一番身近ですぐに助けられると言えば、同じ職場にいる郁哉さんだと思うから。

でも理由はそれだけじゃないんだ。風子にはこの気持ちが分からないと思うけど……」