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愛おしいキミに極甘な林檎を
第52章 溺愛カレシと濃密な夜

「壊すわけがないだろう。久しぶりに他の人が作った飯を食べて元気になった」
「それなら良かったです」
からかってくる陸田さんがまだ職場に来てないのが救いだ。
もし今の会話を聞かれていたらまた勘違いされていただろう。
「課長、乙羽さんおはようございます」
いいタイミングで同じ職場の人が通りかかり、プライベートの話をする隙がなくなって助かった。
このまま仕事が忙しくなって昨日の電話のことを忘れてくれればいいけれど……。
でも今日の課長は慌ただしく席を外していることはなかった。
たまに視線を向けられて、私と話す機会をうかがっているようにも見えた。
ソラ先輩と比べて分かりやすい人だ。
彼氏の気持ちを読むのが難しいおかげで観察力が鍛えられてきた気がする。
昼になった時、課長に手招きされてコンビニに行くのに誘われてまた二人で話す機会がやって来た。
「陸田の奥さんへのプレゼントのことを皆に話したんだが、賛成してもらえた。今日買いに行くか?」

