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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆



その男が目の前に来る前にソラ先輩に聞くと、誰なのか確認するように目を凝らし始める。


「ああ……、同じ大学だった友達みたいだ」


声を張らなくても話せる距離まで近づいてきた時に誰なのか気付いたようだった。


早くマンションに入りたかったけど、ソラ先輩が足を止めているから私も待つ。



「よっ、大空!あけおめ。久しぶりだなぁ。この辺りに住んでるの?」


「久しぶり。そうだよ。この子は俺の彼女」


「はっ、初めまして」


急に紹介されて恥ずかしくなりながらも会釈をしながら挨拶をした。


ソラ先輩の友達だからいい人なんだろうけど緊張する。



「どうも。大学に通ってる時に写真を見せられたことがあったから顔は知ってたよー。なぁ、ちょっと彼女さん抜きで話していいか?あのことを聞きたくて」



「………」


“あのこと”とは、きっと大企業の社長の孫が婚約者に浮気をされていることだろう。

私抜きで話したいというのは、それ以外に思い浮かばない。


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