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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆



一緒に買い物に行った日に送ろうとしたメッセージは、結局送信せずに消してしまった。


【こちらこそありがとうございます。今年もお世話になります】


今回のメッセージの返信にあの時に話したかった内容を書くこともできたのに、無難な言葉だけ返した。



複雑な気持ちのまま、実家の自分の部屋のベッドでソラ先輩と眠る。


悩んでいたせいでもあるのか年が明けてから初めて見た夢は、誰かと赤ちゃんを一緒にあやしている内容だった。


皮肉にも顔はぼんやりとしていて誰なのか思い出せない。


でも目覚めてから感じたけれど、幸せそうな暮らしをしていたような気がした。



昼を過ぎてから住んでいるマンションへ向かい、車を降りて駐車場から玄関に向かって歩く。


玄関には一旦歩道に出ないと入れないから少しだけ人目に付くのは仕方がない。



荷物を持ってそこを歩いている途中、私たちに目を付けた若い男の人がこちらへ走って来る。



「あの人、誰ですか?ソラ先輩の知り合いですか?それともマスコミの人とか……?」


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