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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り



「風子が他の中学校に転校して行ったから印象が強くて覚えていたよ。ってか、なんで風子はおれのこと忘れてるの?本当は嫌いだったとか?」



「それは……、記憶喪失になって高校二年生の前の記憶がなくなったから……」


有り得ないと言って笑うだろうか……。


不安げに返事を待つと、潮崎さんは少し驚いたような顔をしていた。



「まじか!?そんなに大変なことになっていたとはつらかったんだろうなぁ。

それじゃ、おれが風子の忘れたことをいっぱい教えてやるよ」


「えっ……」


「明日、小学生の頃の文集を持ってきてやるから!中学の頃の卒業アルバムに風子が載ってるか分からないけど」



今までにない反応で少し嬉しかった。


しかも知ることが出来なかった過去の私を教えてくれるなんて……。


人生というパズルで、抜けていた過去のピースを埋められる機会になりそうだ。



第一印象は最悪だったけど、潮崎さんは意外といい人なのかもしれない……。


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