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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り



十年以上のブランクがあるのに、やたらと親しげなのには違和感があるけど親切にしてくれるという事は本当に知り合いだったんだと思う。


これがきっかけで潮崎さんのことを少し見直したけど、課長はまだ気を許していないようだった。


そのせいなのか、私のせいなのか分からないけど、帰りもあまり機嫌がよくなかった。




次の日の定時が過ぎた後。


仕事を終えて帰り支度をした後、潮崎さんが持ってきた紙袋から分厚い冊子を取り出して私に渡してくる。



「はい。昨日言ってた小学生の頃の文集と中学の卒業アルバム。昨日見たけど、風子もいる写真が少し載ってた。付箋つけといたから」


「わぁ!ありがとうございます!」


デスクの上にそのアルバムを広げて付箋が付いているページの写真を見ると本当に私みたいな人が載っていた。



でも持ってきてもらったアルバムを見ると卒業した中学と違う学校名だった。


「風子は割と大人しそうだったけど、友達も多くて皆から好かれてたよ。……課長も小さい頃の風子を見てみますか?」


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