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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

「そっか。……同級生に会えて良かったね」
正直に答えて帰ってきた言葉は突き放すような答え。
でもあからさまに顔に出さないけれど、明らかにへそを曲げているようにも思えた。
確かめるために私が体を起こすと、再び本を読みだして会話を終えようとするからソラ先輩の顔色を伺う。
「あの……、ソラ先輩嫉妬してます……?」
「してないよ」
「本当のことを言っていいんですよ?」
こちらの方を向かないで答えるから私は再び聞く。
「してない」
本を閉じてから立ち上がったソラ先輩が寝室の方へ行ってしまったから私も追い掛けていく。
机付近にある本棚に読んでいた本をしまって手が空いた隙を狙って、私はもう一度質問をする。
「嘘です。いつも他の男の話を出すと嫉妬してるじゃないですか」

